「いくらで売れるのか」——多くのオーナーの疑問
事業承継を考えるとき、「自分の会社はいくらで売れるのか」という疑問は、ほぼすべてのオーナーが抱きます。
しかし、企業価値評価は専門的で難しいというイメージがあり、多くのオーナーが「専門家に任せるしかない」と感じています。
実際には、評価の基本的な考え方を理解しておくだけで、交渉や意思決定が大きく楽になります。ここでは、中小企業の企業価値評価をできるだけシンプルに説明します。
中小企業の評価に使われる主な方法
中小企業の企業価値評価には、主に以下の方法が使われます。
① EBITDAマルチプル法(収益力に基づく評価)
最もよく使われる方法の一つです。
EBITDA(イービットダー)とは「税引前・支払利息前・減価償却前の利益」のことです。簡単に言うと、「会社が本業で1年間に稼ぐ力」を示す数字です。
企業価値 = EBITDA × 倍率(マルチプル)
中小企業では、この倍率は一般的に3〜6倍程度です。業種や会社の安定性によって変動します。
例:
- 年間EBITDA:5,000万円
- 倍率:4倍
- 企業価値の目安:2億円
② 純資産法(資産に基づく評価)
会社の資産から負債を引いた「純資産」を基に評価する方法です。不動産や製造設備などの有形資産が多い業種に向いています。
ただし、収益性が高くても資産が少ない業種(サービス業など)では、純資産法だけでは実態を反映しないことがあります。
③ 類似会社比較法
同業種・同規模の会社が最近どんな価格で売れたか、という実績データを参考にする方法です。
評価額に影響する要素
評価額は、単純な計算だけで決まるわけではありません。以下の要素が評価額に影響します。
評価が上がる要素:
- 安定した顧客・長期契約
- 特定の人(オーナーを含む)への依存が少ない
- 業界内での競争優位性
- 財務諸表が整理されている
評価が下がる要素:
- オーナー個人の人脈や技術に依存している
- 大口顧客が1〜2社に集中している
- 財務諸表が整理されていない、または赤字が多い
- 特定の許認可やライセンスが失効リスクを抱えている
「思ったより安い」と感じたら
評価額を聞いて「こんなに安いのか」と感じるオーナーも少なくありません。その理由の多くは、「経営者個人の力が企業価値に組み込まれていない」ことです。
あなたの人脈、技術、判断力——これらは確かに価値がありますが、売却後に引き継がれるかどうか不確かなものは、評価に組み込みにくいのです。
逆に言えば、承継前に「自分がいなくても回る仕組み」を整えることで、評価額を高めることができます。
評価を依頼する前にできる準備
正式な評価を受ける前に、以下の準備をしておくと評価プロセスがスムーズになります。
- 直近3期分の決算書を手元に用意する
- 役員報酬の水準を確認する(市場水準より高い場合、正規化が必要)
- 会社の主要顧客・売上構成を整理する
- オーナー個人の会社への依存度を棚卸しする
まとめ
企業価値評価は難しく聞こえますが、基本は「会社が稼ぐ力の何年分か」というシンプルな考え方です。
大切なのは、評価額を「単なる数字」として受け取るのではなく、「どうすれば価値を高められるか」という観点で活用することです。
承継を検討しているなら、まずは大まかな試算から始めてみましょう。
秘密厳守・完全無料。お客様の会社の概算価値を一緒に確認しましょう。
無料相談を予約する