「社員に言えない」——多くのオーナーが抱える悩み
事業承継を考え始めたとき、多くのオーナーが直面するのが「社員にいつ、どう話すか」という問題です。
「今話したら不安にさせてしまう」 「辞めてしまうかもしれない」 「まだ何も決まっていないのに話して大丈夫か」
こうした不安から、社員への告知を先送りにするオーナーは少なくありません。しかし、告知を遅らせすぎると、それはそれで問題が生じます。
告知が遅すぎると起こること
承継の話が「噂」として広がると、正式な告知よりも大きな不安を生みます。特に小規模な会社では、情報は想像以上に早く伝わります。
- 社長の行動の変化(相談先が増える、書類が増えるなど)に社員が気づく
- 税理士や外部の人間が頻繁に来るようになる
- 「何か変なことが起きている」という雰囲気が漂い始める
こうした状況で噂が飛び交い始めると、正式発表前に優秀な社員が「先手を打って」転職活動を始めてしまうことがあります。
告知のタイミング——3つのフェーズ
承継の告知には、段階があります。全員に一度に話す必要はありません。
フェーズ1:検討段階——幹部・番頭への事前相談(承継の12〜18ヶ月前)
まず相談するのは、あなたが最も信頼する幹部1〜2名です。この段階での目的は「決定事項を告げる」ことではなく、「一緒に考える」ことです。
「そろそろ次のことを考えていきたい。正直に言うと、今後の会社の姿について一緒に考えてほしい」
このような形で話を切り出すことで、幹部を「承継プロセスの共同設計者」として巻き込むことができます。
フェーズ2:承継先が決まった段階——中堅社員への説明(承継の3〜6ヶ月前)
承継先がほぼ確定したタイミングで、会社の主要なメンバーに説明します。この段階では、なぜその選択をしたか、会社の方向性はどうなるのかを丁寧に伝えることが重要です。
フェーズ3:契約締結後——全員への正式告知(承継の1〜2ヶ月前)
契約が締結し、具体的なスケジュールが固まった段階で、全員に正式に伝えます。「すでに決まったこと」として伝えることで、不要な憶測や不安を最小限に抑えられます。
何を伝えるべきか——告知のポイント
社員が一番心配するのは「自分の仕事はどうなるのか」という一点です。
この点を曖昧にすると、社員の不安は増大します。告知の際には、必ず以下を明確に伝えましょう。
- 雇用は継続されるか
- 給与・待遇はどうなるか
- 会社名や業務内容は変わるか
- 新しい経営者はどんな人/会社か
特にリレーパートナーズのような「全従業員の雇用継続を明示的にコミット」している承継パートナーに売却する場合は、この点を具体的に伝えることができます。「会社が変わっても、皆さんの仕事は守ります」という言葉が、社員の不安を大きく和らげます。
社員説明会を開く前に準備すること
新しい経営者(または承継先)との面識機会を作る 社員説明会の前に、主要な幹部と新しい経営者が顔合わせできると理想的です。「どんな人か」がわかるだけで、不安は大きく減ります。
個別の面談時間を設ける 全体説明会だけでなく、個別の相談機会を作りましょう。「言いたいことが言えない」社員が出てきます。
書面で情報を整理する 口頭だけでなく、簡単な書面(Q&A形式)を用意しておくと、後で確認できて安心感が生まれます。
よくある質問
Q: 「承継を検討中」とだけ伝えて、相手が決まってから詳細を話すのでよいですか?
A: 状況によりますが、一般的にはその方法が現実的です。ただし、「検討中」とだけ伝えると「いつ決まるのか」という不安が続くため、「年内を目標にしている」など大まかな目標時期も添えると社員の心理的安定につながります。
Q: 特定の社員に承継の相談をしたら、他の社員に広まってしまいました。どうすればよいですか?
A: 情報が広まってしまった場合は、早めに全員への説明に切り替えましょう。「噂の状態」が続くことが最も不安を生みます。
まとめ
- 告知のタイミングは「段階的に」が原則
- 幹部には早め、全員への告知は承継先決定後
- 社員が最も気にするのは「自分の仕事はどうなるか」——この点を明確に答えることが最重要
事業承継は、オーナーだけの問題ではありません。社員一人ひとりの未来に関わる大きな出来事です。告知のタイミングと方法を丁寧に設計することが、スムーズな承継への近道です。
秘密厳守・完全無料。社員への伝え方も含めて、一緒に考えましょう。
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